伊藤さんの本、ブレイクセルフを読んだ。
表現者、というキーワードが良い。
意外なことに、伊藤さん自身はコミュニケーションが苦手であり、自分に自信がないタイプだそうだ。そうしたコンプレックスを抱えながらも、それを少しでも解消するためにどう行動してきたか、ということが書かれている。
私自身、とても共感する。人とのコミュニケーションは得意ではないし、自分に自信があるタイプではなく劣等感を多く抱えている。やる前から不安になるし、そもそも失敗したくないから行動もしないことだって多い。
そこで伊藤さんは、そうした不安や懸念を埋めるために、何ができるか、を自分の頭で考えて、行動によりそこを少しでもなくそうとしていった、その実践の繰り返しなのだと思う。
その経験が、人は変えられる、ということであるし、世の中に幸せな人を増やす、ということに対して、自分の目的を持ち、それに対して主体的に関わっていく、という選択をし続けている。
そしてそうした自分をシンガーと言い換え、表現者と呼ぶ。講演で話すことも大学で話すことも会社の研修で話すことも、それらをオーガナイズしていくことも、本を出すことも、一連の実績というのは自分の生き様を目の前の仕事に表現してきた点が繋がり線になっている結果にすぎず、まだまだ自分にはできる、と突っ走っていく。
そこに伊藤さんらしさを感じるし、その個性を表現しているのが本書だと思う。
さてそう読み取った私は、これを受けてどう自分に反映できるだろうか?
自分の表現とは何か?手段としては文や写真などだろう。
では表現したいものは何か?
それは自分らしさ、だろうか。
自分の自由をどこまで広げられるか。その結果、自分が世の中をどれだけ良くできるか。
世の中を良くする、っていうのを具体的にすると、世の中をもっと住みやすくする。
どうやって?その人にとっての居場所を作る。
つまり、世の中に自分の居場所があると感じられる人を増やすこと。そのままの自分に価値があるのだと実感できるような世の中。他者を受け入れられる、寛容な社会。
自分らしくあることが他社からも受け入れられる社会。
人が人を尊重することができる社会。
すごく当たり前のように思えるけど、本当にできていることは少ないのではないだろうか。対立することもあるかもしれないけど、それでも根本のところでは相手を尊重する、相手の尊厳を傷つけるようなことはしない。存在を肯定する。
尊重、尊厳、肯定、といったキーワードが出てきた。
これを支える行動は、相手への感謝、だろうか。
話が発散してきたのでこのあたりで止めておく。
私が表現したいこと、それは私自身について、だと思う。